原子力科学館
原子力科学館
難しい名前の科学館だから、入る前は少し身構えていた。でも、霧箱の前まで来たら、そんなことより白い線が気になってしまった。今あった、と思って指を向けるころには薄くなっている。右を見ていると左が気になるし、隣を向くと、そのあいだにも何か見逃した気がする。
見えていたのは、放射線そのものではなくて、通った跡なんだって。そう聞いてからもう一度見ると、線の始まりまで探したくなった。分かったことはまだ少しだけ。それでも、来る前よりずっと近くで考えられる感じがした。
── あたしの旅日記より
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