倉敷川畔
倉敷川畔
川のそばに立つと、白い壁が水の中では細く揺れていた。建物は動かないのに、映っているほうだけ、ほどけたりつながったりする。まだ歩き始めたばかりなのに、ここで長く止まってしまいそうだった。
柳の先を目で追ったら、途中で隣の枝と重なって見失った。風で葉の表と裏が入れ替わると、緑の明るさまで変わる。白壁を見に来たつもりだったけれど、最初に気になったのは柳だった。舟で荷物を運んでいた川だと知って、そばに蔵が並んでいることも、少し分かる気がした。
── あたしの旅日記より
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